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会長挨拶

                     

中国武漢から発生したコロナ禍によって翻弄された令和2年を終え、明けて令和3年となりました。1年前の同じ時期に会長挨拶を書いていた頃には、まさかこのようになることは夢にも思っていませんでした。伝染病の蔓延は、人類史の中では何回も経験されたことは様々な記録からも明らかですが、自分を含めた多くの人にとってはじめての禍の経験でした。武漢での感染開始の時期に、事態を深刻に受け止めようとはしないで隠そうとした中国当局に対する批判から、国際的な感情の軋轢が高まった一方で、ウィルスゲノム情報を共有しワクチンや治療薬の開発のために世界が協力しあうという、平和にとって好ましい動きもありました。人々の集密を防ぐ目的から、リモートによる会議や大学での授業が広まっていったことは、これからの新しい社会を作る重要な契機となるであろうと思います。

昨年の3月〜4月のコロナ感染第一波の際にロックダウンに近いような自粛を経験しましたが、このような生活は人間性に反するものであることを体験的に学ぶことができました。自粛によって飲食業や旅行業を中心に経済的な大きなダメージを受けましたが、感染を抑え医療行為を確保することと同時に、社会経済活動をなんとしても復活させなければなりません。令和3年はそのような年になるはずです。幸いなことにワクチン開発は急速に進み、欧米ではすでに国内でもまもなく接種が開始されようとしています。1年間延期された東京オリンピックも一部に懸念する意見もありますが、世界が協力してコロナ感染に打ち勝つような大きなモチベーションとすることが大切だと思います。それができれば人類社会は発展するはずです。

例年なら学生で溢れかえる大学キャンパスも、静かな1年間を経験しました。そのような中でも学生は、卒論や修論研究を例年よりも少ないながらも行っていました。学生にとって、キャンパスで研究や勉強に励むことが、生きるための大切なニーズであることを我々もまた実感することができました。

令和3年は、当学会もリモートによる活動を取り入れつつも日常を取り戻す1年にしたいと思います。昨年、酪農科学シンポジウムをリモートにて開催することができたことは大きな収穫でしたが、本年は対面による活動も再開させたいと思います。乳業界も、プロバイオティクスやプレバイオティクスによる自然免疫の強化という健康への新たな視点からも、ますます発達する1年であってほしいと願っています。

 

令和3年1月1日

 

日本酪農科学会 会長 浦島 匡